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こりくから

DIARY & WEBCLAPお礼

2024.05.17
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2009.08.10
価値


「・・・お前はオレといて・・・楽しいのか?」

傍らにいた我愛羅が、ぼそりと口にした。

私はごろりと横になったまま、手配書を捲っていた手を止める。
暫く考えていると、その沈黙に耐えられなくなったのか、我愛羅が小さく息を吐いたのがわかった。そして

「もういい・・・。」

と言った。

口調から察するに、それなりに落胆したのだろうと思う。

我愛羅の立場からすると、一緒ふらふらと里で遊ぶのも憚られる。
会う時は大抵どちらかの部屋で、こんな風にそれぞれが勝手に書類を見たり本を読んだり。その行動を「楽しいか」と問われればそれは少し疑問が残るのだけれど。

「ねぇ、楽しいかどうかに、価値があるの?」

そう問えば、「ならば他に何がある?」と自嘲めいた声。

もう随分と一緒にいるようになっても我愛羅はどこか私を信じていない、いや、不安を捨てきれない。それは、甘い言葉一つ言えない、こんな私のせいなのかもしれないけれど。そんな私を選んだ我愛羅にだって、多少の責任はあるでしょう?

「私は我愛羅の傍にいると落ち着くよ。それじゃダメ?」

ごろりと横に一回転して、傍らの我愛羅の顔を見上げる。
そして、本人は少し気にしている広いそのおでこに、そっと自分の額を重ねた。

*********************************

どこぞで何か聞き及んだらしい我愛羅。
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